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【ベトナム税務2021】法人税・個人所得税・VATなど概要解説|会計税務コンサル会社8社!

ベトナムで駐在や起業をして会社運営していくうえで必ず理解しておきたい「税金」。法人税や個人所得税、ベトナム特有の外国契約者税、そして付加価値税(VAT)、さらには移転価格税といった主なベトナムの税金。ここでは、ベトナムで働く日本人の皆さんが必ず抑えておきたいポイントに絞って概要を解説していきます。

ベトナムの税金の種類

ベトナムで日本人が事業を展開するときに関連する主な税金は以下の5つです。

  1. 法人所得税(CIT)
  2. 個人所得税(PIT)
  3. 付加価値税(VAT)
  4. 外国契約者税(FCT)
  5. 事業登録税

それでは1つずつ概要を解説していきます。

法人所得税(CIT)

ベトナムの現在(2021年)の法人税率は20%です。2014年に25%→22%に、2016年以降に20%まで引き下げられてきました。他の主な東南アジア諸国では、シンガポールが17%、タイ20%、インドネシア22%(2022年以降は20%)、マレーシア24%、フィリピン30%となっており、ベトナムは比較的、法人税が低い国と言えそうです。また、製造業企業やIT企業にはさらに優遇税制が適用されます。
※石油・ガス事業は、プロジェクトによって32%~50%の法人税率となります。

法人税の計算方法

(売上+その他の所得-(損金算入費用+非課税所得+繰越欠損金))×20%=法人税

損金算入費用 以下3つを満たしていることが必須
・事業活動に直接的に関連した費用であること
レッドインボイス(電子インボイス)など規定に合った証憑があること
・2000万ドン(約9.5万円)以上の場合、銀行送金の証憑があること
損金不算入費用の一例 レッドインボイス(電子インボイス)など証憑なしで商品サービスを購入した場合の費用
・労働契約書のない給与や賞与などの人件費
・商品サービスの生産や取引に使用されていない固定資産の減価償却費
・一人あたり年間500万ドンを超える制服手当の現金支給
・300 万ドン/月/人を超えの従業員の生命保険料(労働契約書などの社内規定に記載されない場合)
・ゴルフ会員権、ゴルフプレー費用(損金不算入費用として指摘される可能性が高い)
など
詳しくはJETRO発表の損金不算入費用にて。
非課税所得 ・ベトナム国内法人からの配当所得
・寄附金の受け入れ
・科学技術開発から発生した所得
・少数民族や服役後の受刑者の職業訓練事業から発生した所得
など
繰越欠損金 欠損金の繰り越しは発生した翌年から5年間認められる

納税・申告時期

遅れることなく余裕をもって税務処理を進めていきましょう。

  • 課税年度は会計年度と同じで、課税年度末から90日以内に年次確定申告と納税を行う
  • 四半期ごとに予定納税が必要(申告は不要)
  • 予定納税の合計金額が年次確定申告の80%に満たない場合、差額について延滞税が課税される

会計年度末に設定できるのは3月末、6月末、9月末、12月末のいずれか。ただし12月末決算が一般的 で、それ以外を期末にする際は事前に登録が必要です。

ベトナムの優遇税率

政府が定める業種や立地に関して行われる外国投資案件では、税制上の優遇措置が設けられています。優遇税率は大きく分類すると「優遇税率」と「減税・免税」の2つのパターンがあります。なお、優遇措置は、本業以外の所得に対しては適用されません。

  1. 優遇税率
  2. 事業の内容や会社設立をする地域によって、10%もしくは17%の優遇税率が適用される。事業所得発生から10年もしくは15年の間、適用。

  3. 減免税
  4. 工業団地に入居する製造業企業や、IT企業に対して適用される。
    ・製造業:2年間の免税→4年間の50%減税となる。課税所得が発生した年度から優遇期間適用となる。
    ・IT企業:4年間免税→9年間50%減税となる。
    ※売上発生4年目からは課税所得が出ていなくても(3年度連続で欠損金が発生していても)優遇期間の起算が開始される。

税務調査によりまったく想定もしなかった指摘を受けることはベトナムではよくあることです。また、将来的に本社への配当支出、事業売却、上場などを検討している場合、そのときになって過去の会計税務についての指摘を受けると大変骨の折れる作業や交渉を強いられます。売却や上場に至っては過去の税務が雑だったために断念せざるを得ない状況になることも考えられます。社内不正の予防の意味合い、そして将来的な目的の円滑な達成のためにも、創業当初から税務の専門家に依頼して、毎年きれいに税務タスクを完了しておくとよいでしょう。

必ず意識しておきたいこと3点!

  1. 損金算入費用と不算入費用をしっかり理解する
  2. 支出時は必ずレッドインボイス(電子インボイス)などの証憑を受け取る
  3. 極力現金での支出は避ける(2000万ドン以上の費用は必ず銀行送金)
2020年10月には「新型コロナ禍」に対する企業支援策として、法人税軽減の法令が公布されました。
「法人税を30%軽減、売上高9億円相当以下の企業が対象」(JETRO)

個人所得税(PIT)

「税務上の居住者」「個人所得税の種類と税率」「給与所得の税率」について解説します。

税務上の居住者

駐在員や現地採用者、起業家などベトナムで働く多くの日本人はベトナム税務上の居住者になることが多いでしょう。次のいずれかに該当する人は「税務上の居住者」となります。

  1. 課税年度において183日以上をベトナムに滞在していた人
  2. ベトナムの一時滞在許可証(テンポラリーレジデンスカード)を保有している人

税務上の居住者となると、所得の受け取り地がどこにあるかに関わらず全世界所得に対してベトナムの個人所得税が課され、納税の義務を負うことになります。給与所得は累進税率によって課税されます。

給与所得に対する税率と計算方法

ベトナムに在住する多くの駐在員や現地採用者、自営業者や起業家はベトナムの法人から給与所得を受け取ることになると思います。給与所得の税率については以下の表の通りです。

(課税所得-所得税控除額)×所得税率=個人所得税

課税所得(月)
税率
~500万ドン
(~25,000円)
5%
500万~1,000万ドン
(25,000~50,000円)
10%
1,000万~1,800万ドン
(50,000~90,000円)
15%
1,800万~3,200万ドン
(90,000~160,000円)
20%
3,200万~5,200万ドン
(160,000~260,000円)
25%
5,200万~8,000万ドン
(260,000~400,000円)
30%
8,000万ドン~
(400,000円~)
35%

▼所得税控除額

基礎控除
11,000,000ドン
(2020年1月から)
扶養控除(子どものみ対象)
4,400,000ドン×該当人数/月
(2020年1月から)
社会保険料額控除
社会保険料額/月

なお、非居住者には一律で20%の税率で課税されます。

付加価値税(VAT)

付加価値税(Value Added Tax)は、日本の消費税に似たベトナムの間接税です。個人や企業の事業者は、商品サービスを販売するときに購入者からVATを徴収し、購入時には販売者へVATを支払うことになります。

税率

財およびサービス 税率
標準税率
0%または5%の課税対象と規定されていないもの
10%
必需品や必需サービス(水、肥料、食料品、医薬品など)
5%
輸出品や輸出サービスなど
0%

付加価値税の課税対象外となる財およびサービス(JETRO)

申告と納税

「売上VAT」から「仕入VAT」を引いた金額を納税する。仕入VATとして控除するには以下の4点が必ず必要になります。

売上VAT-仕入VAT=納税額

  1. 電子VATインボイス(以前はレッドインボイスと呼ばれてたもの)
  2. 契約書
  3. 銀行送金証明書(2,000万ドン以上の取引の場合)
  4. 通関書類(輸出取引の場合)

▼申告と納税スケジュール

前年売上が500億ドン超(約2億5千万円超)
月次申告
翌月20日までに申告と納税
前年売上が500億ドン以下(約2億5千万円以下)
四半期毎の申告
翌月30日までに申告と納税

本来は支払いと同時または支払い後に電子インボイスを発行するものですが、ベトナムの商慣習では請求書と同時に電子インボイスを発行することが多くあります。(電子インボイスがなければ支払いをしてくれない)
電子インボイスを発行したにも関わらず、請求した金額を顧客が支払わないとなると、その売上VATを自社で負担しなければいけなくなります。また、請求額が変更になる場合は電子インボイスの内容を修正しなければいけません。電子インボイスの取り消しや修正は非常に複雑です。(レターを作成して、販売者と購入者の双方の署名捺印が必要になるなど)
電子インボイスを発行した場合は、すみやかに支払いをしてもらえるように顧客とコミュニケーションを取るようにしましょう。

  1. VATの徴収漏れがないように会計チームのスキームを組みましょう。
  2. VAT納税の申告漏れや申告遅れがないようにしましょう。
  3. 電子インボイスの内容に誤りがないか確認しましょう。

外国契約者税(FCT)

外国契約者税(Foreign Contractor Tax)とは、ベトナム国外の個人・企業が、ベトナム国内の個人・企業に対して、ベトナム国内でサービスを提供した場合に発生します。FCTを負担するのはベトナム国外の個人・企業ですが、通常はベトナム国内から支払いをする個人・企業が海外送金をおこなう際にFCTを源泉徴収し、ベトナム国内の個人・企業が申告・納税を行います。

事例

日本にあるインターネット広告代理店A社が、ベトナム国内にあるB社に対して、インターネット広告の出稿や運用の代行を提供した。この場合、B社はA社への運用代行費を送金する際に、外国契約者税を源泉徴収して、A社の代わりにベトナムで納税する。

外国契約者税の構成と税率

外国契約者税は、実際には「法人税(CIT)」と「付加価値税(VAT)」で構成されます。外国契約者税の意味合いは、本来は外国契約者(ベトナム国外にいる個人や企業)が、ベトナム国内で納税すべき法人税や付加価値税を源泉徴収する仕組みといえます。

種別 VAT税率 CIT税率
サービス一般・機械設備リース
5%
5%
サービスが付随する物品販売
なし
1%
レストラン・ホテル・カジノの管理サービス
5%
10%
利子
なし
5%
ロイヤリティ
なし
10%

※全リストはJETROウェブサイトを参照

外国契約者税の申告と納税率

FCT課税対象取引の発生の都度、10日以内に申告・納税。FCTを申告する前に、FCTの課税対象となる契約の締結日から20日以内に、外国契約者の税コード登録をしましょう。

ベトナム国外の企業はFCTを知らない可能性が高いため、契約時にしっかりと説明をしてFCTの負担が外国契約者であることを納得してもらいましょう。きちんと話しをして進めず、支払いのときになって源泉徴収が発覚しても相手企業から理解が得られず、自社でFCTを負担しなければならなくなるケースもあります。

  1. ベトナム国外への送金が発生する取引をするときはFCTの対象ではないか確認しましょう
  2. FCTが発生することと負担企業について契約時に取引相手から理解を得ておきましょう
  3. 海外送金の都度、申告納税が必要なため遅延しないようにしましょう

事業登録税

ベトナムでは会社を設立すると事業登録税を納税する義務があります。別名「営業許可税」とも言われます。売上や利益があってもなくてもベトナムで事業活動をしている法人は必ず支払わなければいけません。

税額

資本金額 事業登録税/年間
100億ドン超
(約5千万円超)
300万ドン
(約15,000円)
100億ドン以下
(約5千万円以下)
200万ドン
(約10,000円)
支店、駐在員事務所、
事業拠点、その他の経済組織
100万ドン
(約5,000円)

▼事業活動を行う個人に対しては年刊売上に応じた以下の税額となる

年間売上 事業登録税/年間
5億ドン超
(約250万円超)
100万ドン
(約5,000円)
3億超~5億ドン以下
(約150万円~250万円)
50万ドン
(約2,500円)
1億~3億ドン
(約50万円~150万円)
30万ドン
(約1,500円)

支払い期日

毎年、1月31日までに申告・納税をする義務があります。当初の申告から納税額の変更がない場合は、翌年以降の申告は不要(納税のみ)。資本金の変更などで申告額が変更になる場合は、当年の12月31日までに申告しなければなりません。

以前は新規設立した企業は、企業登録証明書(ERC)・投資登録証明書(IRC)・税コード登録証の発行日から30日以内に申告・納税をしなければいけませんでしたが、2020年に発令された新政令により新規設立企業の初年度の事業登録税は免除となりました。

うっかり支払い忘れて納税を遅延すると、しっかり罰金を科されますので気を付けましょう。

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