カントー市のニンキエウ埠頭に現れた巨大な「ノンラー(すげ笠)」。何百もの小さなノンラーを集めて作られており、なかなか迫力がある。
このユニークなプロジェクトを考案、実行したのは、カントー市の書道家ダオ・ティ・カム・スオンさん。「故郷に何らかのかたちで貢献したかった」と話す彼女の、カントーと地元民への愛情が動力となった。書を施した巨大ノンラー制作のアイデアを思いついたスオンさんは、企業から資金を集めた。作品の目的は、書道を通して祖国の美しさを称えること。その意を込めてベトナム全土の54の民族グループを象徴する540個のノンラーを集めて大きなノンラーを制作した。
仕上がった作品は、直径8m、全高約6m、先端からつばまでの長さは約4m。この作品を完成させるために、スオンさんは89日間かけてひとつひとつのノンラーに丁寧に書を施した。書かれているのは、カントーの地名、カントーについて書かれた民謡、ことわざ、詩、ベトナムの州や都市の名前。540個のノンラーは14列に分けて規則的かつ芸術的に配置されている。
ニンキエウ埠頭を訪れる観光客は、遠目にもインパクトのあるこの作品に魅せられ、記念写真を撮りに集まってくる。同作品は「ベトナム最大の円錐形書道オブジェ」としてベトナムの記録機関に登録された。ベトナムで独自の発展を遂げてきた書道と、ベトナム文化の象徴ノンラーの調和により、ベトナムの伝統文化を存分に投影した、のどかで温かみのある芸術作品が生まれた。
編集ライターBảo
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