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【第21回】意外と見落としがち?ベトナム企業と合弁設立を行う場合の苦労話

日系企業が注意する点
ベトナム企業と合弁会社を設立し、ベトナムビジネスを進めようと考える企業が一定数いる中、果たして独資か?合弁か?という部分で悩む企業は少なくありません。そんな場合にビジネス意識の違いには注意が必要です。

ベトナムの規制上、やむをえない場合を含めて、合弁会社を設立する際に、見落としがちなコンプライアンスに関する場面や利益分配について改めて考えてみましょう。

編集部
ベトナムに進出している企業には独資の場合や合弁会社の場合もありますが、どのような考えから違いが出ているのでしょうか?
弁護士
独資か合弁かを分ける一つ目のポイントは、外資規制との関係です。外資規制の影響で、ベトナムローカルの資本を必要とする場合は合弁会社による進出形態が有力候補として挙がってきます。また、合弁会社が選択される他の理由としては、ローカル企業が持っている販売網や製造拠点などといったノウハウや設備を活用したいといった場合に選択肢に挙がる印象です。
編集部
確かに日系企業からすれば外国になるベトナムで事業を行っていく上で、現地ローカル企業と協力して事業を行っていくというのは心強いですね。
弁護士
ですが、合弁会社というものは決してバラ色ではなく、いくつか注意すべき時効もあります。独資であればノーリスクというわけではありませんが、パートナー企業がいる分リスクコントロールが思い通りいかないということは指摘できます。
編集部
例えばどのような点に注意が必要なのでしょうか?
弁護士
意外と見落としやすいのが、コンプライアンス関係の部分です。どういうことかといいますと、パートナー企業が事業運営上贈賄行為に関与している場合、影響がこちら側にまで及んでしまう点です。ローカル企業の中には、贈収賄について必要悪のような考え方を持っている企業も一定数見受けられます。競合が贈収賄で、許認可や不正を見逃してもらった結果競争力をつけている場合、パートナー企業側も対抗手段として同様の行為に出ざるを得ないといった場合などがそうです。このような場合に、日系側は合弁出資しているがために同じく贈賄行為の当事者や加担者として見られてしまうリスクが考えられます。
編集部
パートナー企業が贈収賄を行った場合、どのようなことが考えられるのでしょうか?
弁護士
典型例としては、銀行などの金融機関からの取引拒絶が挙げられます。これは想像するに難くないかと。また、一般の契約書の中に、贈収賄時には取引を即打ち切るといった条項が含まれていることがあります。このような条項から、取引先企業のコンプライアンス上、取引が継続できなくなるリスクなどが生じます。
編集部
コンプライアンス以外に注意すべき点はありますか?
弁護士
利益分配についても合弁時には注意が必要です。これは出資比率に応じた分配割合という話ではなく、どのような計算式で分配対象となる利益を計算するのかといった、細かい設定が必要という話になります。
編集部
なにか具体例はありますか?
弁護士
例えば、50:50で出資を行った場合において、事業運営は主にベトナムローカル側が担うという話になった事例で、利益分配の比率等には問題なかったのですが、その対象となる利益について、パートナー企業が経費と称していくらかパートナー企業側に金銭を帰属させてしまっており、見方を変えれば50:50になっていない運用をされたという例があります。
編集部
確かに、表面上は対等でも計算方式など違う部分の影響から不公平な関係になってしまうことがあるのですね。
弁護士
そのような意味で、合弁設立時は出資比率や利益分配率、支配権などの主要なテーマに目が行きそうですが、このような細かい部分についても関心を払っておかなければ、おっしゃるとおり、表面上は公平でも実際に運用してみると不利な立場に置かれてしまっているという話があります。
編集部
こういった事柄の取り決めは通常どのようにするのでしょうか?
弁護士
やはり、このような合弁会社の運営上の取決めを行うのは基本的に契約書や会社の定款など、書面で行う方が適切です。特に、細かい部分の取り決めということもあって、表現のちょっとした違いが大きな違いを生むこともあります。
編集部
ありがとうございました。合弁会社設立の際は事前に相談しておいた方がよさそうですね。
弁護士
そうですね。規模が大きい場合やベトナムローカルとの取引経験がまだ浅い段階では、情報収集という意味でも弁護士などの専門家を尋ねていただければと思います。

ベトナム明倫国際法律事務所


弁護士・調停人 
ブイ・ホン・ズオン(DUONG)
duongbui@meilin-law.jp 
・日経企業への法務サポート経験訳7年間。日本語堪能
今回の執筆者

ベトナム常駐弁護士
原 智輝(はら ともき)
t-hara@meilin-law.jp 
・日系企業への法務サポート経験2年間、日本語・英語堪能

ホーチミン事務所代表弁護士
盛 一也(もり かずや)
k-mori@meilin-law.jp 
・京都大学総合人間学部 卒業、中央大学法科大学院 卒業、2015年12月弁護士登録、2016年1月税理士法人山田&パートナーズ入所、2018年11月弁護士法人Y&P法律事務所転籍、2020年1月明倫国際法律事務所入所。座右の銘は、兵は神速を尊ぶであり、常に迅速な役務提供を実践。専門分野は、国際関係取引/スタートアップ法務/各種契約書・規定整備/人事労務対応/商標等知的財産戦略。使用言語は、日本語、英語。趣味は筋トレとサウナ。
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