《M&A情報》株式会社レコフ|2021年の日本とASEAN間のM&A件数は105件(前年比+22%)

PRM&Aアドバイザリーサービスを提供するレコフ調べによると、2021年の日本企業による海外企業への出資・買収、いわゆるIN-OUTのM&A件数は、世界全体で合計625件となった(前年比+12%)。その中で対ASEANは、+22%の105件となり、対北米(209件、前年比+2%)、対欧州(135件、前年比+1%)についで多い地域となっている。(図①)


このうち対ベトナムは22件であり、シンガポール(46件)に次いでASEAN地域第2位の件数となっている。(図②)


今後のベトナムM&Aの展望について、レコフの吉田・専務執行役員海外部門長は以下のように答えた。

2021年を振り返ってベトナムM&A市場は、どのような状況でしたか?2021年にM&A市場で最も活発な分野は何でしたか? その理由を教えてください。

2020年に続き、2021年は、ベトナムのM&A市場にとってチャレンジングな年でした。 ベトナム政府は2020年にコロナウイルスをうまく封じ込めることができましたが、他国と同様、2021年4月下旬からデルタ変異種が襲来し、苦戦を強いられました。 主要経済地域の厳格なロックダウンに伴う最大3か月に及ぶ操業停止等により、生産活動が中断されただけでなく、M&A活動、特にクロスボーダー取引の回復に支障を来しました。 現地視察や面談の実行がほぼ出来なくなったため、取引遂行のための基本的な手続きにも大きな障害となりました。それ以外でも、対象企業の業績への影響も不透明なため、取引が遅れるケースも見受けられました。 しかし、2021年第4四半期以降、規制が解除され、経済が徐々に再開されると、M&Aの活発化の兆しが出てきています。 昨年中に市場が回復に向かい始めたことは、投資家がパンデミック後のベトナムの長期的な可能性を信じていることを示しています。

セクター別では、従来から活発だった不動産に加え、物流、金融サービス、消費者関連セクターも最近では関心を集めています。

パンデミック禍の2020年、2021年のベトナムM&A市場で、何か注目すべき動きはあったでしょうか。

パンデミック禍の2年間において、ベトナム人以外の投資家が積極的な活動が出来ない中で、ベトナムの地場大手企業グループのM&A市場での存在感が増したことが大きな特徴です。 不動産、小売、FMCGなど多くの業界で統合が進み、弱小プレイヤーの売却やリストラもあって、これら地場大手企業グループは経済の減速にもかかわらず、その地位を確立し、成長を維持することができました。今後のベトナム経済の成長力は依然として大きく、ベトナム人以外の投資家が再びベトナムへの投資を開始し、ベトナムの地場大手企業グループとも競合することから、M&A市場がさらに活性化すると思います。

2022年のM&A市場の見通しについて、どのように見ていますか?

日越間のM&A案件は、2019年に33件と過去最高記録を更新し、2020年以降も高水準で推移するトレンドと見られていました。 しかし、パンデミックによる海外渡航制限の影響で、2020年、2021年の2年間、M&A取引件数はピーク時の3分の2の水準に減少しました。すでにベトナムに進出している大手日系企業の活躍により3分の2の件数は維持されましたが、「失われた3分の1」はM&Aでベトナムに初進出しようとする中堅・中小日系企業のものだったと見られます。 M&Aによる進出計画を達成できなかったこれらの企業は、M&Aを再開するため、渡航規制の解除を待っている状態です。 パンデミックを乗り越えれば、この2年間に生じたギャップを埋めるために、停滞していた案件が再浮上する可能性は高いです。

ワクチン接種も全国で加速していることから、移動規制が緩和されれば、全体として、2022年のベトナムのM&A市場に対しては強気の見方をして良いと思います。 企業が通常業務に戻り、経済が早期に回復すると予想されるため、より多様多彩な取引が行われるでしょう。 現在の市場環境は、一部の企業や投資家にとっては依然として厳しいため、交渉の遅延が予想されるものの、いまやベトナムは日本企業の投資先としてシンガポールに次ぐASEAN第2位の地位を築き上げており、今年のディール活動は過去2年間よりも活発になります。 パンデミック後の経済での回復を目指すベトナム企業側も、競争力を維持・拡大するための変革やさらなる成長のために新たな資金を必要とし、保留または中断されていた案件について買い手との対話を再開することに意欲的であると思います。

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