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【第12回】日本とベトナムの民法の関係

日系企業が注意する点
ベトナム民法は、日本民法と似通っている部分があり、そのことから様々なメリットデメリットがあります。

ベトナム民法を扱う際には、大枠を掴むためには日本民法の知識を、細かな点を確認する際にはベトナム条文の詳細を確認する姿勢が重要になります。

編集部
ベトナムの法律と日本の法律に違いはありますか?
弁護士
ベトナム民法も日本民法もいずれも成文法としていわゆる条文が作られていますので、いわゆる大陸法系に属していることになります。
編集部
ベトナム民法と日本民法は似ていると聞いたことがあります。
弁護士
そうですね、ベトナムでドイモイ政策が採られた1980年代に続く1990年代より日本の法務省やJICAを経由して、日本側がベトナム側に法整備支援を行ったという背景があります。
ベトナム民法は、このような日本の法整備支援を経て2005年全面改正を迎えたという法制度の背景があります。
編集部
そうなのですね。日本の法整備支援が入ったということは、ベトナム民法の条文は日本民法とはかなり似通っていそうですね。
弁護士
確かに日本の法整備支援が入っており、ある程度似通った条文構成が採られていたりもするのですが、細かい点を見ると異なる点も多々見られます。
例えば、日本民法に規定されている抵当権は原則として不動産を対象とする担保制度として規定されていますが、ベトナム民法では抵当権を設定できる対象は不動産に限らず動産にも広く使われることとなっています。

他方で、日本では、動産担保として質権の他に非占有担保となる譲渡担保という制度が非典型担保として発展してきた経緯があります。要するに、抵当権の対象は原則不動産なので、似たような担保を動産にも採りたいというニーズから譲渡担保という解釈論が発展したわけです。ですが、ベトナム民法では、抵当権の対象を不動産に限定していませんから、「譲渡担保」という制度自体が見られないのです。

編集部
そうなのですね。他に大きな違いなどありますか?
弁護士
そうですね。日本民法は、近年120年ぶりの大改正として話題になったように、長い解釈や運用の歴史があります。また、120年の間に多くの民事事件があり裁判所が判例を通じて、条文以外の法運用に必要となるリソースが充実してきたという点が指摘できると思います。これに対して、ベトナムの場合は判例制度が開始されたのが2015年からであり、まだ約6年間の蓄積しかありません。そのため、今後は、ベトナム民法の各条文の解釈について、運用例の蓄積を待つ必要が出てくるように思われます。
編集部
日本の企業の目線からだとこのような違いについて、どのような点に影響してきますか?
弁護士
一つは、契約書作成時にベトナム民法と日本民法は、パッと見たところ似たところが多いので混同がないよう注意が必要です。例えばですが、日本で契約の締結について錯誤があった場合、これは錯誤による契約の取消しという扱いになります。取消す方法としては、取消しの意思表示を相手方に行うことになります。これに対して、ベトナムの場合は錯誤により契約の効力を失わせる(相対的無効)には裁判所への請求手続が必要となり、契約を遡及的に不成立とさせる場合の手続の負担に大きな差が見受けられます。
弁護士
また、ベトナム民法はまだまだ歴史が浅く、外資誘致に向けて法整備がなされたという部分もあるため、ベトナムローカル企業との取引においては、この点を意識する必要があります。具体的には、契約書の条項設定においては、解釈を必要としない定め方を置く必要があり、相手企業も法典を全て理解できているとは限りませんから、民法と同様の定めであってもあえて契約書に再度記載することもあり得ます。
編集部
逆に、日本の法整備支援を受けて制定されていることのメリットなどはありますか?
弁護士
一つは、条文の構造や考え方について、かなりの部分が日本民法の知見が活用できるというものになります。やはり、条文の構成が日本と似ていますので、全く見ず知らずの法律に接するといったような難しさはなく、ある程度の親近感を持つことができる点はメリットだと思います。

また、民法に関する日本の法解釈上の論点を持ち込む余地があり、日本の方技術を持ち込むことが可能であったりします。このようなことから日本の契約書にあるような条項をベトナムで用いても違和感なく進められるといったケースも少なくありません。

編集部
ありがとうございました。

ベトナム明倫国際法律事務所


弁護士・調停人 
ブイ・ホン・ズオン(DUONG)
duongbui@meilin-law.jp 
・日経企業への法務サポート経験訳7年間。日本語堪能
今回の執筆者

ベトナム常駐弁護士
原 智輝(はら ともき)
t-hara@meilin-law.jp 
・日系企業への法務サポート経験2年間、日本語・英語堪能

ホーチミン事務所代表弁護士
盛 一也(もり かずや)
k-mori@meilin-law.jp 
・税務支援経験3年間、日系企業への法務サーポート経験3年間、日本語・英語堪能
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