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【第3回】自己隔離中の外出は、犯罪なの?

ベトナムに入国した日本人が注意すべき点
入国者が、ベトナムに入国し、集中隔離の完了後(現在の規制では21日間の隔離が要請されています。)、さらに7日間、自宅等において自己隔離を続ける必要があります。
居住地の自己隔離と健康監視に違反すれば、行政処分・刑事処分を科せられる危険があります。

近時、ベトナムにおいて、自宅等においての自己隔離を遵守しなかったり、新型コロナの流行地からベトナム帰国後に、厳密な健康宣言を行わなかったことによって、新型コロナを他人に感染させたとして、刑事事件として立件されたケースが何件か発生しています。

編集部
ベトナムでは、入国者は集合隔離後も、7日以内の自宅隔離が必要と規制されていますが、自宅隔離中に外出して、他人にコロナを感染させた者は刑事事件として立件されるのでしょうか?
弁護士
いくつかの事例が報道されていますが、入国者が刑事罰を科せられた、又はその疑いがあるとして調査が進められているケースとして、次のようなものがあります。

例①

【2021年5月23日】ベトナム中部地域であるThanh Hoa省、Ngoc Lac区の警察は、B.V.N氏を、「人に危険な感染症を拡散する罪」で刑事事件として立件。発覚した事実によると、同月17日に、N氏はBac Giang省(ベトナムにおいて感染者の数が迅速に増加している省)からThanh Hoa省に戻る。同氏は地元の保健機関へ健康宣言に行って、家で自己隔離を命ぜられる。しかし、N氏は自己隔離規定を守らずに、外出し、多数人と接触。その後、同月19日にN氏の陽性が判明。Ngoc Lac区の監督官庁はN氏に関係する51人の直接接触者(F1)、666人のF2(F1に接触した人)と1,228人のF3(F2に接触した人)を特定、その中から1人の陽性者が見つかる。

例②

【2021年3月30日】ホーチミン市において、ホーチミン市人民法院が、航空会社の客室乗務員であるD.T.Hに対し、「人に危険な感染症を拡散する罪」の裁判を開始。同氏は、日本からベトナムへの飛行機に搭乗した後、集合隔離場所で検疫にかけられる。集合隔離期間経過後、家に戻るも、同氏は所在地の自己隔離規制を守らず、3人と直接に接触するだけでなく、ホーチミン市内の様々な場所を来訪。その結果、同氏が接触した人の一人が陽性となる。H氏に対する判決は執行猶予付きですが懲役2年、観察期間4年となった。

編集部
ベトナム政府はどのように感染者の接触者又は関係者を特定しているのでしょうか?
弁護士
ベトナムでは感染者の数が増えていますが、以下の方法で感染者と関係者を特定しています:

① F1 (感染疑いのある人、流行地域から戻ってきた人、又はF0 と密接に接触した人)を探す方法

  • ステップ1:病気の発症の3日前から医学的に隔離されるまでの期間に感染者が行った、又は参加した場所、イベント(疫学的場所)を特定します。(直接または電話で患者に尋ねる、親戚/友人/近所の人/地区を通して尋ねる、医療記録/資料を参照するといった方法で特定します)
  • ステップ2:疫学的場所を地方の病管理センター又は保健センターの人々(調整部門)に通知する。
  • ステップ3:調整部門は患者に尋ねる方法、疫学的場所や患者が住んでいる場所の人々に尋ねる方法、マスメディアによる公表、Bluezone、Vietnam Health Declaration等の健康報告アプリケーションを利用する方法で、F1を追跡・特定する。
  • ステップ4:F1のリストを確認し、完成する。
  • ステップ5:集合隔離を行い、対象者を検査する。

② F2(F1と接触した人)を探す方法:

  • 方法1:F1の対象者に対する調査を行い、F2の情報をF1自ら記入させる。
  • 方法2:F1を探す方法と同じように現地の監督官庁が対象者を探す。
編集部
ベトナムにおいての隔離、健康報告に関する規制はどうなっていますか?
弁護士
対象者によって、隔離規制も異なりますが、現状では、主に5つのカテゴリに分類されて、規制がなされています。
  • F0(感染者):対象者は病院で隔離され、医師の指示に従い治療が必要となります。
  • F1:対象者は、居住地の医療部門に直ちに通知し、陰性の検査結果が出されるまで、指定地域で隔離される必要があります。集合隔離期間は、流行の深刻さによりますが、通常14〜21日です。
  • F2:居住地の医療部門に通知し、自宅で健康状態を監視し、自己隔離を行います。自己隔離期間は、通常7日~14日です。 F1の陰性検査結果が出された場合、F2は自己隔離を終了することができます。
  • F3:F2に接触した者:居住地の医療部門に報告し、健康を自己監視し、発熱、咳、息切れ、倦怠感等の症状が現れた場合はすぐ報告する必要があります。
  • F4:F3に接触した者:健康の自己監視を行う必要があります。
編集部
規制が本当に厳しいですね。日本では、コロナに感染して外出しても刑罰までは課されない可能性が高いですが、ベトナムでは上記の例のようにコロナに関する隔離規制を違反した場合、どのような規制がなされているんですか?
弁護士
ベトナムでは、コロナが首相によりグループA(非常に急速で、広い範囲に広がり、死亡率が高い又は、病気の原因が不明)の危険な感染症であり、また、世界的大流行が認められる旨の宣言がなされました。コロナが世界中で発生して以来、国内でも病状が深刻にならないように、コロナの予防・管理全国運営委員会からは、エピデミック予防・管理に関する規制を厳格に遵守するように求めた多数の緊急な公文書が出されています。
弁護士
それらの1つが、医療隔離の遵守に関する規制です。
行政処分としては、医療隔離措置、監督官庁の強制的な医療隔離措置の適用を拒否又は回避する行為に対し、5,000,000ドンから10,000,000ドンまで罰金が科せられます。
刑事責任については、個人が自宅での隔離に関する規則を遵守しなかった又は医学的宣言を規定通りに宣言しなかったことで、他人にコロナを感染させた場合は、刑法の240条1項c号に規定されている「人に危険な感染症を拡散する罪」に処すとされています。この犯罪の最低刑罰は、50,000,000〜200,000,000ドンの罰金又は5年以下の懲役に処すというものです。最高刑は10年から12年の懲役です。さらに、有罪判決を受けた場合、1 年以上 5 年以下の期間、一定の職務の担当、職業、仕事への就業が禁止されることがあります。
編集部
行政処分又は刑事処分などは外国人にも適用されるんですか?
弁護士
ベトナム法又はベトナムが加盟する国際条約に基づく外交又は領事免除の対象となる場合を除き、外国人であっても、ベトナムの領土内で行政規制違反又は犯罪該当行為を行った場合は、ベトナムの法律の規定に従って、行政処罰を科せられるか、刑事罰が課されます。したがって、日本人であっても、自己隔離中に自宅等を無断で離れれば、行政処分・刑事罰に科せられる危険があります。
編集部
ベトナムに入国して、集合隔離を完了した日本人に対して、行政処分・刑事罰などを課せられないようにするには、どのようにしたらいいのでしょうか?
弁護士
集合隔離が終了した後、入国者は次の7日~14日間、健康監視が継続されますが、この期間中、他人との接触を制限し、次の規制を守ることで、行政処分又は刑事罰を免れることができます。
  • 居住地で健康状態を自己監視し、集合隔離場所が終了したら、次の居住地の保健局に通知する必要があります。通常、入国者の招聘会社が、事前に集合隔離後のホテル、アパートに連絡し、地元の保健機関にも通知を行います。
  • 規定通りに定期的に健康報告を行うため、Bluezone、Vietnam Health Declaration等のアプリケーションを電話などで設定する必要があります。
  • 発熱、咳、喉の痛み、息切れ、倦怠感、悪寒、味覚の喪失の兆候がある場合は、すぐに滞在先のホテルまたは地元の保健機関に通知しなければなりません。
  • 居住地から外出しないようにします。仕事やその他の必須業務を行うために、外出する必要がある場合、事前に外出スケジュール、場所等をホテル又は居住地の管理者、地元の保健機関に通知し、政府が出された5K(マスク・間隔・大勢を集まらない、消毒・医療宣言)の勧告を厳密に守る必要がります。
  • SARS-CoV-2のPCR検査を7日目(集合隔離日の終了日から)に受ける必要があります。通常、泊まるホテルがこれについて案内してもらいます。

ベトナム明倫国際法律事務所


弁護士・調停人 
ブイ・ホン・ズオン(DUONG)
duongbui@meilin-law.jp 
・日経企業への法務サポート経験訳7年間。日本語堪能

ベトナム常駐弁護士
原 智輝(はら ともき)
t-hara@meilin-law.jp 
・インハウスとして企業内での勤務経験有。日本語・英語堪能
今回の執筆者

ホーチミン事務所代表弁護士
盛 一也(もり かずや)
k-mori@meilin-law.jp 
・京都大学総合人間学部 卒業、中央大学法科大学院 卒業、2015年12月弁護士登録、2016年1月税理士法人山田&パートナーズ入所、2018年11月弁護士法人Y&P法律事務所転籍、2020年1月明倫国際法律事務所入所。座右の銘は、兵は神速を尊ぶであり、常に迅速な役務提供を実践。専門分野は、国際関係取引/スタートアップ法務/各種契約書・規定整備/人事労務対応/商標等知的財産戦略。使用言語は、日本語、英語。趣味は筋トレとサウナ。
ベトナム明倫国際法律事務所とは
ベトナム明倫国際法律事務所は、日本語が堪能なベトナム人弁護士・スタッフ及び日本人弁護士・スタッフのチーム対応により、法務からビジネス慣習、ベトナム子会社の組織作りやコンプライアンス体制構築など、幅広い業務に、迅速かつ専門的に対応しております。ベトナムにおける日本人及びベトナム人コミュニティの広範なネットワークと、ビジネス法務のエキスパートによる豊富な経験・知識・ノウハウを生かし、ベトナムビジネスでのビジネススキームや経営戦略策定に至るまで、頼れるビジネスパートナーとして、皆様のベトナムでのご成功をお手伝いいたします。ぜひ一度、当事務所サービスを、ご利用下さい。
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