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【製造業・検品・生産性】人工知能(AI)で自動化するあたらしいベトナムの「ものづくり」AI導入のボトルネックと成功の鍵とは | Shodensha Vietnam

Shodensha Vietnam Co., Ltd.
Director 小原 千幸 氏
取材:2020年11月

AI(Artifucal Intelligence:人工知能)とは、一般的に「言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術」であると定義づけられています。近年、注目される製造業におけるAI導入による生産性向上や検品精度向上などの事例や、ベトナムでの普及の可能性について松電舎ベトナム(Shodensha Vietnam)の小原氏に話を伺いました。

日本の製造現場、『AI』普及率は15%程度

AIの精度が上がったことにより、これまでは人間が行っていた作業や業務が、コンピューターで可能になると言われています。身近なAIの活用例では、パソコンやスマホ上で行える音声入力や自動翻訳などが挙げられますが、これらは人間が使えば使うほど精度が上がります。また、チェスの世界チャンピオンをコンピューターが破ったというニュースがありましたが、これもAIがチェスの棋譜をデータとして蓄積し、最適な計算を行うことによって可能になりました。

そのほかにも、顔認識でロック解除するセキリティシステムや、コロナ以降に普及した画像で体温をチェックするモニターなどもAIの技術が利用されています。しかし、2019年に総務省が行った調査によると、日本の製造現場でのAIの普及率は15%程度でした。同調査では、大企業よりも中小企業でよりAIの導入が進んでいて、ドラスティックに現場を変えるのは中小企業の方が早いという通説を裏付けるものとなっています。

すでにオートメーション化が普及している製造現場においては、人間があらかじめ設定しておいた特定の作業に必要な条件に基づいて、正確かつスピーディーに処理していくことが可能になっています。さらにそこにAI技術を取り入れられることによってどのようなことが起こるのかというと、AIは自己学習をするため、人間が閾値などの細かい設定を行う必要がほぼなくなります。処理した過去のデータをAIに与えることで、それらを記憶、蓄積するだけでなく、解析して最適な条件を計算することができるからです。

活用が進む”画像認識”による検品作業

現在、AIの実用化が最も進んでいるのは画像認識の分野です。画像からNGの特徴例を抽出し、そのデータを集め自分で判断ができるというAIの自己学習の特性により、製造現場における検品など標準化を進める作業に画像認識が活用されています。

例えば、自動化のフェーズでは、製品の加工や、出荷前の個数カウント、組み付け用の部品が正しく添付されているかどうかのチェック(ある・なし検査)などが機械で行われていました。

個数が100個あるかどうかの検査
100個カウントできたときのOK判定時

そこにAIの技術を導入すると、非常に精巧な構造を持つ精密部品についても高い精度とスピードの検品が行えるようになります。その方法としては、カメラで撮影してソフトに取り込み、AIに傷の形状等を学習させることで可能になります。

この場合、検査においてモニタリングした画像データを蓄積することが、検品において何をOKとしNGとするかの事例を人間が学ぶトレーニングの代わりとなります。さらにAIは蓄積した製品上のOKとNGの特徴を自ら解析し、判断するので、数値化したデータを設定することが必要なくなります。

左上の穴がないため加工不良としてNG判定
穴の有無の検品

ベトナムにおけるAI導入の利点とボトルネック

光学機のメーカーであり、近年ではAIを利用した検査機器や画像認識システムを開発、販売してきた松電舎ベトナムの小原氏は、ベトナムにおける製造現場の現状について次のように語ります。

小原氏
弊社は2016年からベトナムに進出しており、検査機器をメインに販売していました。

ベトナム国内の日系光学機器メーカーでは数少ない、AI自動外観検査システムを取扱うこともあり、製造現場向けの制御用カメラや品質管理用の自動検査ソフト等に関心が集まっています。自動検査ソフト自体はそれほど新しくありませんが、2年ほど前からAIを使った画像検査ソフトウェアの需要が出始めています。

それは、人間が細かく設定しなくてもデータをAIに自己学習させ、検証したいものの特徴点を抽出させ、高速で検査させることが可能だからです。現在のところ、ベトナムは人口が多いので、検査については人海戦術で行なっているケースが多く、AIの導入率はまだ低い状況です。

しかし、最低賃金が年間7~8%のレベルで上昇し続けているという現状や、将来的に進むと予想される少子化などの要因から、企業がAIの導入を検討することは今後のトレンドとなっていくことが予想されます。

国内の製造業における事例として、出荷前の製品のカウントや金属製品のクラック検査を手作業からAIを取り入れた自動化によって瞬時に行えるようになったケースなどがあるそうです。

また、ベトナムの製造業企業がAIを導入するにあたって、現状の人件費との兼ね合いを考えた時、コストに見合うかどうかの意思決定がボトルネックになっていることも指摘しています。

万能ではないAI
AI導入を成功に導く鍵とは

今後、人件費の上昇に対して製品価格をいかに抑制していくかが企業の課題となることは避けられません。小原氏が指摘したように、その対策にAI導入を検討する企業は少なくありませんが、人を雇う代わりにAIを搭載した機械を入れれば即コストダウンにつながるかと言えば、それほど簡単な問題ではないようです。例えば、製品の形が複雑だと多方向からの撮影やセンサーが必要になったり、求められる技術レベルが上がるのでどうしてもコストがかかります。また細かい部品など数が多い場合にはスピードが求められるので、これもコストアップするケースとなります。

AIはベテランの技術職に匹敵する精度の高い判断を可能にし、ヒューマンエラーを防止し、品質の安定に貢献しますが、決して万能なわけではありません。AIを導入したからといって、それまで人間がやっていた作業をすべて機械に置き換えることができるわけではなく、マンパワーと併用しながら徐々に移行させていくプロセスが必要です。そのためには導入後も人間が最初に設定したことと、AIの自動学習の整合性を取り、正確性を担保していく作業と、そのための人材を社内あるいはアウトソーシングで確保することも求められます。

これらのことを鑑み、AI導入を有効なものにするためには「どの製品の、どの製造工程のうち、どの作業を、どのように効率化したいのか」といった「導入目的と目的達成までのプロセスや要件」をはっきりさせ、そのための予算を立てる。逆に言えば、いろいろなことにAIを使おうとしたり、要件があいまいなまま導入すると、AIを導入してもうまくいきません。

予算が限られているのなら、長期的な計画を立案し、段階的に導入することが成功の鍵だと言えるでしょう。特にベトナムにおいては、人件費の上昇率とコストがペイできる期間をあらかじめ設定し、長期的な見通しを立てるとともに、なるべく速やかに検討を開始することも大事です。

会社情報

社名 松電舎ベトナム
Shodensha Vietnam Co., Ltd.
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HaNoiオフィス Palm 2-21 Palm Garden Villa, Viet Hung Urban Area, Viet Hung Ward, Long Bien District, City. Hanoi.
小原(HCM, HNI)
JP / EN
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