不動産を取り巻くお金と税金

ベトナムでの不動産取得に当たり、資金の調達についての検討や納税の義務などが生じます。現地特有の事情もあります。

売却益の申告・納税

売却時の支払いについては、買主から売主名義のベトナム国内の銀行口座に入金してもらった上、ベトナムの個人所得税を申告・納税することになります。

貸付・売却時の所得税負担

個人所有の建物を貸付や売却する場合において、貸付時には家賃収入の5%、売却時に売却額の2%が個人所得税として課せられます。

なお、当該物件は売主(元の保有者)に183日以上継続して保有されている必要があり、また、売買契約には公証が必要とされています。

外国法人が所有物件を売却する場合、その売却代金は企業所得税の対象となります。

家賃発生時に課される税金

家賃収入額の 5%(VAT)+5%(所得税)

売却時に課される税金

売却額の2%

固定資産税

コンドミニアムにはない(2019年12月時点)

税申告は遅滞なく行なう

不動産収益を外国へ送金したい場合、前述のような納税手続きを済ませない限り、日本などの外国に売却益を送金することはできません。なお、納税手続きの際に延滞が発覚すると追徴金を納めなければならなくなります。

住宅ローン

外国人がベトナムで住宅ローンを組むことは可能でしょうか。「顧客に対するローンの規制に関する国家銀行発行の決定」 によると、ベトナムの銀行との間でローンを組むことができる対象の中に外国人や法人が含まれています。

法律上は外国人個人がベトナムでローンを組むことが可能とされていますが、ほとんどの金融機関では、住宅ローンを含めて、外国人個人に対するローンの取扱いはされていません。現地金融機関がローン組み立てに当たって、外国人の信用調査をするための資料が得にくいという事情もあります。

ただ、ベトナムでは住宅ローンであっても金利は約10%に上るため、外国人投資家にとって、ベトナムでローンを組んだ上で物件を購入するということは選択肢に入りにくいものと思われます。

支払い済み金額の銀行保証

プレビルドと呼ばれる竣工前の物件を売却する場合、ディベロッパーは買主が支払った金額を担保するために銀行保証を付けなければならず、銀行保証契約書の写しを購入者に送付しなければならないとされています。もっとも、実際にはこのような銀行保証をつけていない取引も数多く存在します。

相続の可否

住宅法は、相続による住宅の取得を認めています。したがって、相続によって住宅を取得した場合も、購入によって取得した場合と同様、不動産の取得を証明した上で、登記手続を進めることとなります。

相続人が外国人である場合には、当該相続人が住宅を所有できる要件を備えている必要がありますが、必ずしも当該住宅の所在地に一時居住または常住登録をしていなくてもよいとされています。したがって、相続人は海外に住みながら登記変更手続を進めることもできると考えられます。

また、相続人が外国人の場合には、マンション1棟あたり30 %までといった所有割合等の各規制も受けることになります。この割合等を超える場合には、当該住宅の価額のみを享受することができるとされています。

相続の手続きの流れ

現時点では外国人の保有不動産について相続が発生したという事例がほとんどないため、具体的にどの程度の書類が必要とされるかは実務上不明です。実際に相続が発生した場合には、そのときの現地の動向を確認した上で手続を進めていく必要があります。

手続書類としては、相続原因の発生(被相続人の死亡届けの記載事項証明書等)や、相続人であることの証明(戸籍等)が必要となると考えられます。また、他国の例を参考とすれば、日本の相続制度を証明する弁護士の意見書等は必要とされるものと考えられます。おそらく日本の相続で必要となる書類は最低限要求され、かつ、その翻訳文・公証が必要とされることが想定されます。

相続税

2019年12月現在、ベトナムでは不動産の相続税は実質ないといえます。もっとも、税務については改正が多いほか、今後ベトナム税務当局により相続税等の規則が制定される可能性もあります。

カテゴリー